去勢・避妊手術

避妊・去勢手術について

避妊・去勢手術について

避妊・去勢手術は、犬や猫の望まれない繁殖を防止するほか、犬や猫が元気に長生きするための様々な良い影響を与えてくれます。

雄犬の場合

前立腺肥大、肛門周囲腺腫、会陰ヘルニアなどの発症を抑制し、睾丸腫瘍の発生はなくなります。

雄猫の場合

不適切なマーキングや、雌を探して脱走したり、ケンカして帰ってきたりする行動をある程度抑制することができます。

雌犬や雌猫の場合

卵巣子宮疾患(子宮蓄膿症、卵巣腫瘍など)の発生はなくなり、乳腺腫瘍のリスクを下げることができます。
特に乳腺腫瘍に関しては、避妊手術のメリットに以下のような報告があります。

避妊手術による犬の乳腺腫瘍の予防効果 (R. Schneider, 1969)

避妊手術による犬の乳腺腫瘍の予防効果

初回発情前に避妊手術をした犬では、未避妊犬と比較して発生率が0.05%に減少します。
初回発情後~2回目発情前に避妊手術をした犬では、未避妊犬と比較して発生率が 8%に減少します。
2回目発情後に避妊手術をした犬では、未避妊犬と比較して発生率が26%に減少します。
(未避妊犬の乳腺腫瘍の発生率を100%とした場合)

2.5歳以降の避妊手術は、良性乳腺腫瘍に対する予防効果は期待できますが、悪性乳腺腫瘍を予防する効果は認められていません。

避妊手術による猫の乳腺腫瘍の予防効果 (B.Overley,2005)

避妊手術による猫の乳腺腫瘍の予防効果

6ヶ月齢以下で避妊手術をした猫では、未避妊猫と比較して乳腺腫瘍発生リスクが91%減少します。

7ヶ月~12ヶ月齢で避妊手術をした猫では、未避妊猫と比較して乳腺腫瘍発生リスクが86%減少します。

13ヶ月~24ヶ月齢で避妊手術をした猫では、未避妊猫と比較して乳腺腫瘍発生リスクが11%減少します。

避妊・去勢手術のデメリットとしては以下のようなものがあります。

〇全身麻酔のリスク 

〇太りやすくなる
〇術後の合併症(まれに出血、縫合糸反応性肉芽腫、雌犬の手術後尿失禁などがみられることがあります。)

当院では犬・猫ともに生後6ヶ月齢以降に手術を行っております。